仏壇の基礎知識


仏壇に飾るもの

お位牌や遺影の並ぶお仏壇に飾る品は、各宗派によって違いますが、最も基本となるのは、お香・花・灯明です。 お線香を焚くのは、仏様に身も心も清浄にしてから近づかせていただくためで、線香でも抹香でもよく、香炉で焚きます。 花は、仏様に花のような清浄な心で、徳を讃美します。新鮮なものを花立てに活けて、ご本尊に向かって左側(2つの場合は左右両側)に置きます。 灯明は、仏様の知恵をあらわしている光明にあたり、浄火を燃やすという意味を持っています。ご本尊に向かって右側(2つの場合は左右両側)に置きます。 その他には、仏飯器・茶湯器などがあります。

仏壇 礼拝の作法

1. 仏壇の前に正座をして、軽く一礼をする。
2. ローソクに火を灯し、線香に火をつけて香炉に移す。
3. 鐘を2回鳴らす。鐘は内側を軽く鳴らすのがマナー。
4. 合唱してから深く一礼する。
仏壇の扉は就寝の際には閉めるのが通例とされていますが、最近では開けたままの家庭も多いようです。

※お線香は口で吹き消してはいけません。空いている手であおいで消すか、お線香をスッと真下に引いて消します。

仏壇は朝夕2回拝むのが理想

ご飯は炊き立てを用意する
仏壇はできる限り、毎日同じ時間に朝夕の2回、拝みます。お茶またはお水とご飯(できるだけ炊き立てのものを用意しましょう)をお供えしたら、仏壇の前に正座してお線香をあげます。「これからご供養します」という合図の意味から鐘を鳴らし合掌します。お参りが終わったらご飯などはすぐに下げても構いません。また仏壇のご飯を食べると徳がついて病気にかからないと言われているので、家族でいただくとよいでしょう。
仏壇の大敵は「湿気」
仏壇は湿気を嫌うので水拭きはしないほうが良いでしょう。普段の手入れではホコリを拭う程度に乾拭きします。また、金箔や漆が使われている仏壇などは素手で触ると傷付くので、ツヤ出し雑巾などの柔らかい布を用います。香炉の灰をおこして柔らかくしたり、金属器や漆器なども仏壇から取り出して拭きましょう。


仏壇の購入

仏壇は葬儀後になるべく早く購入します。なぜなら仏壇には故人さまの位牌を納めて祀(まつ)るからです。遅くとも四十九日までには揃えたいところです。万が一、間に合わない場合はお盆や年忌法要などの機会に合わせて揃えましょう。仏壇を揃える際は、さまざまな仏具も必要ですので忘れずに買いそろえます。一般的に仏壇は高さによって値段が決まるものですが、もちろん材質や形態によっても変わります。「せきの」まで、ご相談ください。
ご家庭の状況を考える
仏壇購入の際に大切なことは、家庭の事情を考慮することです。例えば、住居に比べて、あまりに仏壇だけが立派で大げさ過ぎるのもよいものではありません。また、家のどこに仏壇を置くかを決めておくことも大切で、その場所に合った仏壇を選びます。 通例では居間など人が集まる部屋に置きますが、部屋数などによってはこの限りではありません。ただし、管理上の問題から、湿気が多い場所や、直射日光が絶えず当たるなどの条件下に仏壇を置くのは相応しくありません。また神棚と相対する場所には置かないようにします。 ご本尊の他に付属物も必要
仏壇を祀る際には以下の物が必要です。主にご本尊、位牌、香炉、ローソク、花立て、鈴(りん)、鈴棒、鈴台、供物を乗せる高杯、ご飯を供えるための仏飯器、茶湯を供える茶湯器などです。なお、宗派によっては多少の違いが生じます。
仏壇を置く向き
通常、仏壇は西に向かって拝むという意味から東向きに置くとよいとされていますが、住宅事情などでどうしてもそのようにできない場合もあります。あまり風習にとらわれずにそれぞれの事情に合わせて設置しましょう。

仏壇は正しく配置しましょう

仏壇は決して見下ろさないこと
ご本尊をはじめ、仏具や位牌の全てはいくつかの決まりによって配置します。通常では、ご本尊は仏壇の中心に安置します。特定の宗派にとらわれないご本尊もあります。一般的な配置は下図を参考にしてください。 また仏壇は正座したときに壇が顔の高さの正面にくるように置きます。やや見上げるような位置でも問題ありません。見下ろすような位置になることは避けましょう。



仏壇開きをして本尊に入魂
新しく仏壇を家に置くときは、開眼供養を終えるまで仏壇の扉は開かないようにします。仏壇もお墓と同様に開眼供養が必要だからです。この儀式によって仏壇が清められ、ご本尊や位牌に魂がこめられるとされています。別名「仏壇開き」とも呼ばれています。 また仏壇はいつでも清潔に保っておきたいものです。普段、家庭で使用する雑巾などで掃除をするのは避け、ハタキやツヤ出し雑巾を使って掃除します。