「念珠（ねんじゅ）」は、数珠（じゅず）とも呼ばれ、長い年月をへて日本人のこころに根ざした美しいお守りとして現代に受け継がれております。葬儀や法要の際に、心をこめて用いることがてぎるシンボルとしてぜひ大切に扱いたいものです。一般に使われるお念珠は、宗派ごとに形の異なる「正式念珠」と宗派を問わず使用できる「略式念珠」があります。「正式念珠」とは、宗派ごとに形の異なる、その宗派特有のお念珠です。「煩悩の数」といわれる１０８個の玉からなる長いタイプが多く、二重にして使われますが、宗派や種類によっては１０８玉でないタイプもあります。「略式念珠」とは、宗派を問わずどなたにもお使い頂けるお念珠です。（但し、日蓮宗の方は通常お使いになりません）正式念珠に比べ全体の寸法が小さく、その分ひとつひとつの玉が大きくなっています。一重のまま片手に掛けて使われることから、「片手念珠」とも呼ばれます。玉の数は、「18個」「27個」「36個」「54個」などのタイプがあります。　 ››詳しく

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浄土宗の念珠は4種類あります。このうち「百万遍の大念珠」といわれるものは、1080の珠を連ねた大念珠。また「道具念珠」と呼ばれる108顆の念珠には、道具荘厳服を着た場合に、水晶などの念珠を用いるものと「日課念珠」といわれる親玉から房を垂れず、別に金属で作った小環を入れ、環より弟子珠を入れた房を垂れたものがあります。これには浄土宗独特の型式である二連念珠で三万繰(三万遍用)と六万繰(六万遍用)の二種類があります。さらに携帯用の三十六顆を連ねた珠数のものもあります。

108顆が禅宗の念珠の基本です。臨済宗、黄檗宗では親玉二個、片方の親玉は十個づつの記子がついており、五個目のところで一度結んであります。
曹洞宗では母珠、向珠四天の間に十八個づつ通されており、さらに108環金という輪が通されています。

真言宗の念珠の顆数は108個が基本です。この場合、母珠が二個、両方の房に10個づつの記子を加えます。 これは、「振分珠数」とも呼ばれ、八宗在家珠数としても使われることがあります。 また、「片繰り念珠」(半繰念珠)という、54顆の念珠もあります。この場合は一個の母珠、母珠より七ツ目と21目に小珠をいれます。 そして母珠から房を垂れ、10顆づつの記子をつけます。

日蓮宗ではお題目を唱える時、「記数の念珠」(108顆)を用います。これには母珠が二つついており、一方の親玉には20個の記子があり、中間で一度結んであります。もう一方の親玉には5個づつの記子と記子留とを列ねた二つの紐があり、また、別の一紐を垂らして、それに十顆の玉を連ねて(記子留なし)あります。

浄土真宗の珠数は念仏の数取りに用いるのではありません。また、煩悩を断つ、功徳を積むために用いられるわけでもなく、礼拝恭敬、仏事勤行のための法具としてのみ用いられるのが、本来の目的です。そのため、弟子珠を上につめて数の取れないようにし、また、下の房を巻き上げて結んであります。この結びの金剛珠とを俗に蓮如結びといいます。

真言宗の念珠の顆数は108個が基本です。この場合、母珠が二個、両方の房に10個づつの記子を加えます。 これは、「振分珠数」とも呼ばれ、八宗在家珠数としても使われることがあります。 また、「片繰り念珠」(半繰念珠)という、54顆の念珠があります。この場合は一個の母珠、母珠より七ツ目と21目に小珠をいれます。 そして母珠から房を垂れ、10顆づつの記子をつけます。

片手念珠は略式のお念珠ですが、各宗派共通で使うことができます。（房の形によっては、御宗派が限られる場合もあります。）二連と片手念珠のどちらを持つかは自由ですが，御寺院様によっては二連の念珠を持つように進められているところもありますので、一度お寺さんに相談してみてはいかがでしょうか。